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tanaka

通販番組の健康食品1

ニュースレター1月号に書いた文章です。

通販番組の健康商品その1

患者さん宅での施術中にもよくテレビでやっている通販番組。そこでしきりに宣伝している健康食品やらサプリやら薬。あれってどうなの?という質問を患者さんからよく受けます。そこでいろいろ調べてみたのを、まとめてみました。


<グルコサミン・コンドロイチン>

関節の衝撃を吸収する軟骨の構成要素であり、関節の動きを滑らかにしたり、関節症の痛みを改善したりすると言われている。50代以上の半数には膝痛があり、歩く力を保つなどと盛んに宣伝されている。

有名な話だけれどサプリメントを摂っても関節痛に明快な効果はない。痛みが軽減したという声があってもプラセボだと考えるのが妥当なレベル。

軟骨の成分ではあるが、サプリメントとして経口摂取しても胃液など消化器官で分解されてしまうし、まして軟骨には血管がほとんど無いので成分を届けることもできず、軟骨になるとは考えづらいとされる。

ただしごく一部の小規模な実験で痛みを軽減する可能性があると示唆されるものがないことはなく、将来的にやりようによってはある種に人には効果があるなどと証明されるかもしれない。ただし現時点では費用対効果が悪すぎる。

なおグルコサミン摂取による血糖値、血圧、血中コレステロール値の上昇などが懸念されており、糖尿病、脂質異常症 、高血圧のリスクのある人は注意が必要とのこと。


<ヒアルロン酸>

コンドロイチンが関節軟骨なら、ヒアルロン酸は関節液に多く含まれている。「皇潤」など口から摂取するタイプのヒアルロン酸食品は多いが、これも消化されてしまって関節液にはならず関節痛には効果がないと考えるのが妥当。経口摂取によるヒトでの有効性についての信頼できるデータはない。牛肉を食べても牛になるわけじゃないのと同様で、ただの美味しくない食べ物にすぎない。

もちろんヒアルロン酸を注射して関節内に投与すれば、一定の効果が認められている。1回の注射で期待できる効果の持続期間は、せいぜい1〜2週間程度と云われており、それもだんだん効きづらくなってくる。


<リョウシンJV>

つらい関節の痛みに体の内側から飲んで効く!というキャッチフレーズのあれである。医薬品だが成分はほぼありふれたビタミン剤であって痛み止めの成分は入っていない。米ぬか由来のγ-オリザノールという成分が入っており、これが疲労回復もさることながら、薬として自律神経を安定させ心身症における身体症候や不安・緊張・抑うつに用いられている。確かに痛みはメンタルにかなり左右されるのでさもありなん。

成分内容は、眼精疲労、肩こりに!とうたうアリナミンEXプラスやビタロークEXPと全く同じである。それを関節痛に効くと言い換えて、かなり割高に定期購入させていくタイプの商売がこれ。関節痛にも効く人は効くだろうが、安い商品で十分である。

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