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tanaka

認知症のケア

ニュースレター6月号に書いた文章です。


施術中の痛みについて

相手を気持ちよくして楽にしてあげるだけの仕事だから、みんなに感謝されるでしょう。

いい仕事だよねー。などとよく言われるのですが、実はそうとも限りません。

筋肉があまりにこわばりすぎてしまうと、何をしたところで痛いのです。

これがゆるんでくると気持ち良くもなってくるのですが、初めはなんか余計痛くなったと感じるかもしれません。

また拘縮した関節を伸ばすのにも、痛みが発生することが非常に多いのです。

もちろん痛がっているのを無理やりグイグイと引っ張るとかは、余計にこわばって逆効果だから絶対にダメです。

そこをさすったりゆすったりして、騙しだまし伸ばしていくのが腕の見せ所。

それでもやはり痛みが発生することがある。というか本人にしてみれば、痛みがあるかもしれないことをやられること自体がノーサンキューだというのが本音でしょう。

関節を伸ばして、ギリギリ痛くないところで止める。

これを何度も繰り返すだけでもいいのです。

一見物足りないように感じますが、かなりの効果があるものです。

ごくごく簡単な運動をしてもらうのも同じです。まったくやらないのと少しでもやるのと。0と1では大違いです!


認知症のケア

ここにきてアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」のニュースがでてきました。いままでの薬はもひとつ効果が判り辛かったけれど、今回のは効果があるかもという夢のある話ですね。日本では年末に動きがあるか?


さて認知症の患者さんは多いです。記憶力・認識力が衰えてきているわけで

「(訳の分らないおっさんがいきなり部屋に入ってきて身体を触ってくる。)タスケテー!殺される~!!」

と叫ばれてしまうことにもなりかねないわけです。不用意にいくと。

やはり分からないなりにも理解したいと思います。

そもそもご自分の状況を理解するのすら難しいので、現状を変えようとするのはもっと怖いはず。

だからすべてのことに頑なに抵抗しがちで、何日も風呂に入らなかったりするのでしょう。

拒否に対してマッサージというスキンシップが、残念ながら有効でないこともありますが、とにかく「私は気持ちのいいことしか発生しない無害な人間です。

あなたのことが好きで尊敬していますよー。あなたに興味があるんですよー」という気持ちをアピールして信頼を勝ち取っていくしかありません。

一度でも気に入らないことがあると「この顔のひととは不快なことがあった!」というのは覚えてしまいがちですし。


同じ話を繰り返すひとも多いですが、歴史好きとしては昔話を聞くのは大好きです。できることなら、毎回いつもよりちょっとでも話を掘り下げられたらなぁと思います。

昔のことを思い出したりするのは脳のリハビリにも良いといいますし。話がいつもよりも少しでも先に進んだらうれしいです。

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