ニュースレター11月号に書いた文章です。
似たようなサービスと思われがちですし、併用されている患者さんも多いです。
訪問リハビリは介護保険で、在宅生活に必要な動作の獲得などを目標とした機能訓練が主であろうかと思います。最初の切り口として徒手療法という名のマッサージを用いることがあるにせよ。
訪問マッサージは医療保険で、疼痛や緊張緩和・拘縮予防を図ったり、あるいはしんどさ・つらさを解消し精神を安定させることを目的とします。PTさんの訓練も円滑に行えるようになり相乗効果を引き出せますし、マッサージの後はリハビリがしやすいとよく言われます。もちろんマッサージだけでなく、筋力向上運動から歩行テストまで必要に応じて機能訓練も行います。施設などではかなりPTよりの役割を期待される場合が多いですし、施設のPTさんから施術に注文が入ることもままあることです。生活リハビリにかける時間は長い方が良いので、PTさんと連携してその指示で施術メニューを組み立てて、訪問リハビリの回数制限を補うこともできます。
訪問リハビリの利用者様には、頑張ればまだ日常生活の向上が目指しやすい要介護2前後の方が多いです。しかし要介護度が上がるほどリハビリの効果が薄く気力もわかず、訪問介護や訪問入浴など生活部分にかける介護サービスが増えて介護保険の枠が足りなくなりがちです。身体も動かさないと機能悪化はかなり早く進行してしまうのに。
訪問マッサージはそもそも、麻痺や拘縮があって歩行困難だからマッサージをしてよいというお医者様の同意書をもとに行われています。本来はもっと介護度の高い、寝たきりに近い方を想定しているのでしょう。要介護3以上で日常生活にかかる部分の介護サービスが増えたために、リハビリの十分な機会が減少している方はいらっしゃいませんか?介護保険は日常生活にかかる部分に使い、リハビリは医療保険である訪問マッサージへという使いわけもできるかと思っております。
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