ニュースレター10月号に書いた文章です。
昭和イケメン史
「最近出の俳優の誰それはなかなか悪くないけど、昔のスターと比べたら色気がまだまだね~」などという会話が割とよく患者さんから出ます。過去のオールスターの面々のしかもその全盛期と今の現役メンバーだけとで勝負しようとするなら、そりゃ分が悪いだろうと思って聞いていました。が、昭和の映画スターの画像を検索してみると、少女漫画から抜け出たようなありえない美形もいて、確かにこれはまんざらでもないのかも~と思った次第です。ちなみになぜか、往年の名女優を称賛するような話は男女からとも意外とあまり出てこないのです。若いころ女優の誰それに似ているって云われるのがイヤだったワ―という文脈でなら何人かから聞きましたが・・。ま、ただし!オードリーヘップバーンだけは別格ですがね。
今回は60年代までに活躍した男性スターをまとめてみました。
日本初の映画スターは尾上松之助(1875-1926)。目玉の松ちゃん。
その後に続く、7人は七剣聖とも呼ばれ、戦前戦後を代表する映画スターとなる。
・阪東妻三郎(大正末年から昭和初年にかけての剣戟ブームを生み出した剣戟王。1953没。田村正和の父)、
・月形龍之介(水戸黄門漫遊記シリーズ1954-1961で水戸光圀のイメージを作る。(因みに後のTV版1969-2011の水戸光圀役は東野英治郎→西村晃→・・))
・市川右太衛門(あやめ池撮影所1927-1936。旗本退屈男1930-1963。北大路欣也の父)
・長谷川一夫(雪之丞変化1935。左頬に傷。大河ドラマ1964の大石内蔵助)
・片岡千恵蔵(金田一耕助1947-1956 いれずみ判官1950-1962)
・嵐寛寿郎(鞍馬天狗1927-1956。従妹は森光子)
・大河内伝次郎(丹下左膳1928-1954。京都嵯峨の大河内山荘)↑ここまで七剣聖
・上原謙(愛染かつら1938 三百六十五夜1948などのメロドラマ。加山雄三の父)
・市川海老蔵(9代目)(1951『源氏物語』で記録的な大入り、「海老さま」の愛称で戦後の歌舞伎の人気停滞を救う)
・三船敏郎(羅生門1950 七人の侍1954 用心棒1961 赤ひげ1965)
・森繁久彌(次郎長三国志シリーズ1953-54の森の石松。社長シリーズ1956-1970)
・佐田啓二(君の名は1953。松竹戦後の三羽烏 (高橋貞二、鶴田浩二)。中井貴一の父)
・三國連太郎(ビルマの竪琴1956 釣りバカ日誌1988-2009 佐藤浩市の父)
・石原裕次郎(嵐を呼ぶ男1957 太陽にほえろ!1972-1986)
・近衛十四郎(柳生武芸帳1961-1963 TV月影兵庫1965-1968 松方弘樹の父)
・鶴田浩二(人生劇場飛車角1963任侠映画ブームの始まり)
・高倉健(1963-1975東映任侠路線)
・大川橋蔵(TV銭形平次1966-1984)
・萬屋錦之介(宮本武蔵1961-1965 TV子連れ狼1973-1976)
・藤田まこと(TVてなもんや三度笠1962-1968 TV必殺シリーズ1975-2018 TVはぐれ刑事純情派1988-2009)
・植木等(ニッポン無責任時代1962-1971)
・市川雷蔵(8代目)(眠狂四郎1963-1969)
・勝新太郎(悪名1961-1969 座頭市1962-1973 TV新・座頭市1976-1979)
・加山雄三(若大将1961-1981)
・田宮二郎(白い巨塔1966 TV白い巨塔1978)
・丹波哲郎(TVキイハンター1968-1973 TV Gメン'75 1975-1982)
・渥美清(男はつらいよ1969-1997)
・菅原文太(仁義なき戦い1973-1975 トラック野郎1975-1979)
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