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tanaka

施術の目標について

ニュースレター5月号に書いた文章です。

施術の目標設定について

マッサージ施術によって、まずは筋緊張の低下と可動域の改善を目指していくことが目標になります。

これが機能訓練指導員なら、介護度の改善やADLの向上を目的にリハビリを提供するということで介護保険がおりているわけだし。

柔道整復師なら骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷への施術をするということで医療保険がおりているというていです。

そのいいでいうとマッサージ師は、拘縮やマヒの予防や改善を目指すということで医療保険が降りているわけなのだから当然です。

報告書を書くとしてもそこのところ効果のいかんを記述することになります。


マッサージをしてみての、拘縮すなわち身体のこわばりや可動域の改善ぐあい。

マヒすなわち身体の動かしづらさの改善ぐあい。で、その結果としてのADLの向上であったり歩行能力の向上であったりがでてくるのだと。

だから動作訓練であったり、歩行訓練であったりはマッサージの効果を測るために行っているというていになります。

なのでその性質上、屋外への散歩に同行することは困難かと思われます。

まあケースバイケースですが。


関節の可動域ですが、施術前の身体がコチコチの状態で動かす、動かしてもらうのと、施術後の筋緊張がゆるんだ状態で測るのとは全然違うことがほとんどです。

当然のことながら。しかし何度かマッサージしてしっかり筋をゆるめた後で測った可動域が最高で、そこから施術を続ければ続けるほどどんどん可動域が改善していくかというと、そうでもない。

あくまで関節まわりの筋肉をゆるめて改善しうる部分までしか改善のしようがない。

ただし例えば、歩行をよくされるようになって、頻繁に足首に体重を乗せるために足関節の可動域がただのマッサージでできる以上に改善していったということなどはあります。


それよりもいかに施術によって筋緊張がゆるみやすくなるか、あるいはゆるんだ状態を保持できているか、保持できる時間が長くなっているか、最大可動域までの関節の動きのスムーズさがいかに改善したか、などを判断基準に施術をしています。

それらの点は施術を続けるほど良くなりやすく、そうこうしているうちに徐々に徐々に可動域も改善したりします。

各関節に動きがでてきたら、その動きがより正しいものになるように誘導していきます。

そして介助しながら自発的に動かしてもらって、筋肉の動かし方を思い出してもらいます。

これを繰り返して、より力強くできるように少しずつ負荷をかけていきます。

運動の指示が通りづらい場合は、要介助にて座位保持バランス訓練や立位保持バランス訓練などを行って無意識に筋肉を使うように可能なかぎりもっていくこともあります。


とはいえなんらかの障害で歩行が困難、相当に運動不足であろう患者様が対象である場合が多いので、ガンガンに荷重をかけたハードにリハビリをすることは少ないです。(もちろん本人や施設の希望でリハビリや筋肉トレがメインの患者さんはいます)。

それよりも最初だけ頑張って運動しすぎてかえって痛みがでて、運動への意欲を失ってしまうというパターンが多くてそっちのほうが怖いのです。

一気にたくさんやらないで毎日少しずつして下さいねと必ず言うのですが、思い立ったが吉日でやりすぎて懲り、それからはもう全然したがらなくなるケースが大変に多い。

なので運動メニューは、様子をみてやりすぎないことを意識しています。


運動どころか、マッサージや関節可動域運動でさえも普段動いてなかった人には刺激が強くなりがちです。

初めての施術には特に気をつかいます。

たとえマッサージなんて受け慣れているよと本人が云われていても、長らく空いていればいわゆる揉み返しにもなりやすい。

ごく軽めのマッサージから始めるのが鉄則です。

マッサージによって、ずっと使ってなかった筋肉を急に動かしたら、運動するのと一緒だし、そりゃあ筋肉痛になるリスクはあります。

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