ニュースレター4月号に書いた文章です。
患者さんの傾向
訪問マッサージという仕事は、普段なら出会うことはないであろう全く接点のない方たちの、お話を聞き、お宅にお邪魔してその生活の一端を垣間見る仕事です。
世の中にはいろんな人生があるものです。知らないことばっかりです。
まあ介護関係の方なら皆さんそうでしょうが。これは、ちょっと他の仕事にはない得難い体験です。こちらがサービスを提供する側であるにもかかわらず、教えられることや発見がとても多いのです。
僕の経験の中で一番若い患者さんは、40代の交通事故で腰下肢が麻痺してしまった方でした。
脳梗塞による片麻痺とかなら60代70代の方も多いです。
70代ならまだまだ元気。若いほうがリハビリにも積極的で目に見える効果が出やすいことが多いです。
もちろん歳をとればとるほど個人差が大きいので、70代で完全に寝たきり、しかも認知症という方も見ましたけれども。病気になるかならないかはとても大きい。
一般には80代になって身体のあちこちに問題が出始めるというイメージ。
この仕事をしていると80代でも「高齢者」という感じがしてきません。
女性なら90代の方も意外と多くいらっしゃいますし。さすがに90代になると施設の方が多いですが。
90代でもまだまだ元気に歩けて絶対100歳までいけますよ!と言っていた方が、100歳手前で急に電池が切れるように失速するパターンも多いです。
生活のスタイルもそれぞれ。100歳に近い親と二人暮らしの娘、とか。
いくつになっても娘さんというのはなにかと甲斐甲斐しく動かれることが多いような気がします。
息子はあまり役には立ちません(一般論)。
いやいや!息子介護の二人暮らしも何例か見ましたよ!。
でも何故かそろって、あまり掃除には熱心でない傾向があるように見受けられるのはなんでなんだろう。
寝たきりになった夫を介護する妻。
いわゆる老老介護。しかも介護中に自分も圧迫骨折になって寝たきりになってしまう、という例も見ました。
逆に歩行が困難になった妻を必死にサポートする夫。
致命的な病気ケガさえなければむしろ男性のほうが身体は丈夫なイメージです。
いろんな夫婦関係を見ました。
一見喧嘩をしているみたいで夫婦漫才が成立していたり。
仲が悪いのよ、というほうがなんだか仲が良いように見えます。
明治生まれの方が生きていたころならいざ知らず、絵にかいたような亭主関白は最近あまり見なくなりました。
基本的に女性が強いように思います。むしろ障害を持って家にいる夫にやや風当り強く感じることも・・・。
夫にも息子にも先立たれて、嫁さんと同居しているパターンもありました。
90超えてもがんばって独居している方もいます。でも最後は認知症がでてきて危なくなって、親戚が施設に入れるという展開になりがちかも。
妻に先立たれると夫はとても堪えるようです。
広い家に1人でいるのは寂しいとか、死んだ妻はよかった、とか思い出話を聞くことは多いです。
ただ・・・その逆はあんまりないです。夫の顔が思い出せないという方もまでいました!(ヒドイ)
ああそう言えば、ひとりだけ死んだ夫を褒めちぎっていた患者さんを思い出しました。
夫は私を自由にしてくれて友達とあちこち旅行に行きまくったし、欲しいものはなんでも買ってくれるそれは優しい夫だった・・・・・・そうです。
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