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tanaka

坐骨神経痛のはなし

ニュースレター3月号に書いた文章です。

さてこの冬は、特に寒かったせいか、坐骨神経痛の相談を受けることが多かったです。坐骨神経痛といえば症状であって病名ではなく、その正体はいろいろですが、患者さんの年齢層ではほぼ脊柱管狭窄症と診断されている方が多いです。老化現象でもあり腰椎が反りすぎると神経を余計に圧迫して増悪するタイプの病気です。

骨そのものに問題がある場合は腰をぐっと前に丸めさせて、後ろの椎間を開くような動きを獲得させていくぐらいしかマッサージができることがないです。骨のズレそのものを物理的に動かすということは、ちょっと可能とは思えないし危険です。きっと腰椎以外のこわばりが増悪していると思われるので、各関節がすべて滑らかに動けるようにして、腰椎に過度な負担がかからないようにしていくと考えていくほうが自然かなと。

というわけで神経痛の原因が本当に100%骨の圧迫のためであるなら、効果を出すのはなかなか難しいかなと予想されますが、実際にはすべて骨由来ということはあまりないのです。骨のせいならば、なにをしてもしなくても24時間ずっと痛いはずでは?動かして余計痛いのならば、それは筋肉の方に問題があるのでは?だいたいレントゲンで明らかに神経が圧迫されているように見えても、症状のない人はなんぼでもいるという話ですし・・・。

神経が腰椎を出てから足部に向かうまでの流れのなかのどこかで、圧迫やら滞りやらが起こって余計に悪くなっていることが想像されます。骨とその他の割合が10%対90%か60%対40%なのかはともかくとして。

腰の筋肉、お尻の筋肉、太もも裏の筋肉、下腿の両外側の筋肉、さらにお腹から触るいわゆる体幹のインナーマッスルなど坐骨神経痛を増悪させるとされているポイントはいくつもあります。マッサージをして緩めつつ、すべてのポイントに触って疼痛の真の原因を探っていくというのが基本的な戦略となるかと思います。

(ネットより)

といって必ずしもそこを緩めれば坐骨神経痛がすぐにその場で必ず改善するとも限らないのが難しいところ。

一般論としては多少痛くても固まって余計痛くならないように、だましだまし動かして伸ばしていきましょうねと指導するのが基本です。さすがに痛みのために歪んだ姿勢のまま無理に運動しすぎると悪循環で余計に悪化することもありえますが、筋肉を緩めて正しい姿勢・方向での運動ができるようになってきたら、多少痛くでも動かしていくしかないです。動かしているうちに、シビレ痛みがそんなに気にならなくなっていくというパターンが一番多いです。痛いから動かさずにいたいいたいとばかり思っていると、逆に痛みが固定してずっと治りません。

シビレの施術は思っているよりは意外と楽になることは多いけれども、完全に0にするというのは非常に難しいのです。しかも気候が急に寒くなったり、無理な負荷をかけた運動をしたりしてまたぶり返したりしがちです。なので再発を防ぐためには良い姿勢を保持し、一か所に過度な負担のかからないような正しい動きができるように、地道に筋力をつけていきましょうね、ということになります。

大変、大変つまらなく、面白くない結論にはなりますが・・・・。

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