ニュースレター12月号に書いた文章です。
リハビリ的な見地では日々様々な発見もあり、勉強もあるのですが。
マッサージの手技そのものの上達は長らく停滞しているのではないかと思う今日この頃です。
そもそも学校で習うのは、マッサージ、指圧、あんまの3つ。
マッサージといえば「さする」動作。オイルなどつけてやれば確かに気持ちがいいですが、大がかりになりがちであまり訪問施術向きではありません。女性が施術する場合が多いのかな。技術的には不快な圧にならないよう、いかに広い面積を当てたままで筋肉にアプローチし続けられるかといったあたりを習います。
指圧とえいば「押す」動作。目標に向かってまっすぐ押して、定圧をかけて、ゆっくり抜く。いかに指に体重を乗せられるか、手押しにならないで効率良く指に荷重できるかを習います。
あんまといえば「はじく」です。すじ(もとい筋肉)をいかに捉えて、はじくように横断しながら揉むかを習います。効かせるためには最初から最後まで圧をかけ続けたまま、手首を動かしてスジをまたがなければなりません。
基本的にこの3つとストレッチ的な運動法を組み入れつつ、施術における手技を組み立てていくのですが・・・。
しかしここで、硬い患者さんには施術がどこまでも強くなってしまう問題が発生します。
カチンコチンに固まった筋肉をいかにさすっても、リラックス効果こそあれそれだけでは筋緊張は低下してこないです。やはりそれなりに力を入れて押したり揉んだりしなければ、筋肉は緩んではこない。
いわゆる肉体労働者が一番筋肉は硬いです。ではあるのですが、筋肉は動かさないことで固まってしまうので、歩行困難で動けなくなった方の筋緊張もかなり硬いことが多いのです。しかも体力も弱っているので、あまりキツイ施術には耐えられないから強くもしづらい。だいたい力任せに押しても痛いし、後に痛みが残りやすいという問題が。
ある患者さんに「つまむ」ように施術してみてはと云われ、これが意外を効果があったのです!
筋肉の固まりを大きめにごっそりとらえたまま、まとめて動かしたり、引っ張ったりすような感じに施術すると、痛みが少なくして筋緊張が低下しやすいように思います。
で先日、勉強のため、他所の治療院に施術を体験しに行ってきました。
あるマッサージ院では30分きっちりマッサージしてもらい、体感時間も長く感じ、満足感・楽になった感があったのですが、店を出たとたんに身体に何も残っておらず愕然としました。ここまで効果が持続しないものかと。やはり運動療法も入れないと効果が安定しないのか・・。
またある治療院は姿勢矯正を得意としていて、自分の姿勢を分析してもらいました。自分のこととなるとなかなか判らないものです。両肩とも前方に巻いているが、右の巻の方が強いため体幹が左に回旋してかつ右肩が挙がっていると云われました。日々考えていることなので、すごく納得できました。改善へのアプローチはそれぞれですが、施術の目指している方向性はやはり自分も他所も大差はないのだなあと思ったのも収穫でした。
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