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外反母趾

  • tanaka
  • 2023年3月18日
  • 読了時間: 3分

ニュースレター10月号に書いた文章です。

外反母趾+腰痛の患者さん


普通に歩行はできるが、近頃とみに急性腰痛になりやすいとの訴えです。

疼痛の訴えこそないのですが、両側の外反母趾になっていて、なんだか独特の歩き方をしています。

外反母趾に対し「マッサージ師」ができることは何か?・・・いろんな先生がたが諸説さまざまな治療法を提唱しておられます。

一般に外反母趾といえば、内またになって足首が内側に倒れ、体重も内側に乗りがちになるものです。

なので膝からやや外またになるようにして足の小指側に重心が乗るように誘導する、というのがまずは基本原則です。

この患者さんに仰臥位に横になってもらったところ、足関節が極端に内またに、ハの字なっていました。まずはそれを正しい位置に誘導し、その姿勢でいることに抵抗しようとする下腿の内側と外側の筋肉にアプローチしました。やはり強い圧痛があって、よく緩めると施術後には一時的に足関節の内または改善しました。

立ってもらうと、重心が極端に前方につま先に乗っかっています。

それに体幹が極端に後ろへ反り返っており、そのバランスをとるためか顎が前に突き出て頭が下がった姿勢になっています。


背中を後ろにそらした姿勢は、背骨どうしが組み合ってロックされてしまい、それはそれで安定してしまうのです。

でもこの安定はそれに甘えて体幹の筋肉を使っていない省エネもといズルした状態にすぎません。この極端に腰部にテンションのかかった姿勢は異常な状態なので、そのうち腰にトラブルが発生してもおかしくありません。

もっとお尻を引いてかかとに重心をもってくるよう誘導すると、後ろに倒れそうだと云います。


ここは背腰部の筋緊張を緩めつつ、背骨と骨盤に動きが出るように誘導していきます。

そもそも正しい姿勢になれる筋肉の使い方を忘れてしまっているということなので、思い出してもらうように正しい動きを他動的にでもいいから繰り返します。

またこのような顔が下がっている姿勢は、重い頭を支えるべく後頸部や側頸部に強い負荷がかかって、筋肉が固く凝ってしまっていることが想像されます。

案の定、頸肩部の筋緊張は高く圧痛も強くて、巻き肩状態にもなっていました。

筋緊張を緩めると顔が上がりやすくなり、2~3回の施術で姿勢はわかりやすく改善しました。

少なくとも大きく身体を反ることはなくなり、足の指も正面を向きやすくなりました。

といっても外反母趾が目に見えて改善するわけではないですけれども。


良肢位になって、腹筋も背筋もバランス良く使って腰椎に極端な負荷をかけない姿勢を保つことができれば、腰痛になるリスクは減るという理屈です。

 
 
 

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