ニュースレター1月号に書いた文章です
世代の変遷
月日の経つのは速いものです。この業界に入った2006年ごろは、患者さんの大部分は大正生まれでした。
昭和ひとケタだとむしろ若い方だなーという印象でした。しかも時々は明治生まれの方なども、まだまだいらっしゃいました。
年齢でいうと私などは孫ポジションで、可愛がられたりすることもよくありました。
戦争に行った話や空襲にあった話などよく聞きました。
ちょっと若めの患者さんなら疎開したときの話などとかですか・・・。
しかし今では患者さんの大部分が、自分の親の年齢に近づいてきています。
戦後生まれも増えてきて、明治生まれはおろか大正生まれの方さえも見かけなくなりました。
なんといっても昭和元年生まれが、今年もう97歳になるのですから。
私もいつの間にやら孫ならぬ「子供と同年代」ポジションになってしまいました。
・・・時の流れを激しく感じます。
現在私が、歩行困難な方として保険を使って訪問し、リハビリマッサージをしている患者さんは、昭和ひとケタも後半~昭和20年代の方がほとんどになっています。
昭和20年代といえば団塊の世代です。その団塊の世代が75歳を迎え始めており、昨年には75歳以上が総人口に占める割合が15%を超えたそうです。4人に1人が75歳以上になるといういわゆる2025年問題も間近にせまってきております。
ついでに言うと2030年には日本の総人口の1/3が65歳以上の高齢者に、2040年には団塊ジュニア世代も高齢者になっていくのです。
まったく頭が痛いはなしで他人ごとではありません。
そして今後も国の制度は、都度都度で変化していくであろうことも容易に想像されます。
さて、要介護認定者の年齢ごとの割合は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、→80~84歳では26.4%、85歳以上では59.8%になるという話や、
65歳以上の高齢者で17.8%、75歳以上の後期高齢者で23.1%という話があります。
75歳以上の後期高齢者になると、要介護率は急激に上がっていくのだということは判っているのです。
団塊の世代も、これからどんどん身体が不自由になってくる方が増えていくだろうことが、強力に予想されます。
とはいえ現代の70代はこれまでの世代を違って、その9割が何らかの「介護予防への行動」を取っているのだという調査結果があります。ですから今後、この要介護率は改善されていく可能性があるだろうとのことです。
ひとつ前の世代の状況を見て学習し、できるだけ健康なからだを長く維持しようといろいろ考えて、積極的に行動されておられる方が多いです。TVなどでも色々な情報が紹介され続けていますし。
それでも様々な理由で歩行が困難になってしまうことはあり、そのような方々のところへも訪問させていただいているのですが、やはり皆様けっこう頑張り屋さんです。
その気持ちに応えてあげたい。
状況を改善する方法はもちろん一つではないし、さまざまな方法を複合的に試してみたらいいと思います。マッサージで筋肉を緩めて動作を回復していくという方法は、とても有効な方法の一つであると思っています。たしかに唯一無二の方法とはいえないかもしれないけれども。
一般的なリハビリで効果が頭打ちになったら、また別の方向からアプローチしてみることをお勧めします。是非に。
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